糖尿病とは
糖尿病とは 血液中にはブドウ糖が含まれていますが、この濃度(血糖値)が慢性的に上昇したままの状態にあると「糖尿病」と診断されます。ブドウ糖は細胞に取り込まれることでエネルギー源となるわけですが、その際にはインスリンというホルモンの働きが不可欠です。このインスリンが何らかの原因によって量が不足したり、インスリンがあっても効きが悪くなるとブドウ糖は細胞に取り込まれずに血液中でダブつくようになります。主な原因として免疫異常により膵臓が破壊されてしまう1型糖尿病と、生活習慣や糖尿病になりやすい遺伝要因を元にした2型糖尿病があります。2型糖尿病は、長年にわたる不摂生な生活習慣によって起こりやすくなります。ご飯を食べ過ぎてしまう方、野菜をほとんど食べない方、空揚げや焼き肉などの高カロリー食を好まれる方、定期的な運動を行っていない方、肥満の方は2型糖尿病になりやすいので、ご注意ください。
血糖が高いと何が悪いのか
非常時に対応するために血糖を上げるホルモンは複数備わっていますが、血糖を下げるホルモンはインスリンしかありません。日本人はインスリン分泌力が弱い方が多く、欧米人と比べて糖尿病になりやすいと言えます。糖分は生きるために欠かせないエネルギー源ですが、高血糖状態が続くようになると、糖が尿に排出されるようになり、それにつられて水分も尿に多く排出されます。多尿になった分、水分が欲しくなります(のどの渇き、多飲、多尿)。糖分が有効なエネルギー源として使われない場合、易疲労感、体重減少といった症状が出現します。また長期でみると血管障害を背景としたさまざまな障害を引き起こします。余分な糖分があると血管を傷つける活性酸素が発生してしまいます。これにより酸化ストレス、炎症を起こし、血管を障害します。糖尿病の三大合併症と言われる神経症、網膜症、腎症などは血管の障害によるものです。悪玉コレステロールが高いと傷ついた血管の壁に入り込んでコレステロールがたまってゆき動脈硬化も進みます。足の末端などの血流が悪くなり壊疽が起こります。脳卒中や狭心症、心筋梗塞などの重篤な病気のリスクも高まります。このような事態を避けるには、なるべく早い段階で治療を開始することが大切です。
このような症状のときはご受診ください
- 健康診断などで「血糖値が高い」と指摘された
- のどがよく渇く
- 尿の回数が増えた
- 体重が急激に増加した
- 体重が徐々に減少している
- 最近、疲れやすくなった
- 満腹感が得られない
- 手足がしびれる
- 足がむくむ
- 皮膚が乾燥してかゆい
- やけどやケガをしても痛みを感じない
- 視力が落ちてきた
- 意識が混濁することがある
糖尿病の治療
上記のような症状が出ていれば至急治療を開始する必要があります。自覚症状がなくても、長期の合併症を防ぐために高血糖の状態を是正しなくてはなりません。 1型糖尿病の場合は、インスリンがほとんど分泌されない状態なので、体外からインスリンを補充する「インスリン療法(インスリン皮下注射)」を行います。患者様の状態にもよりますが、朝昼晩の食事と就寝前の1日計4回、インスリン注射が必要となります。
2型糖尿病の患者様は、インスリン分泌がある程度保たれた状態なので、まずは食事療法や運動療法を行います。食事に関していうと、適正なカロリー摂取量を算出し、それを守るようにします。食事の中身は、脂っこい肉料理を減らし、魚や野菜を中心にします。また、定期的な運動を週に3回以上を目標に行いましょう。具体的には、医師の指導のもと、ジョギングやスイミングを30分以上続けるとよいでしょう。なお、生活習慣の改善だけでは効果が不十分と言う場合は、薬物療法も必要になります。当院では、糖尿病の診断からインスリン療法を含めた治療まで対応可能ですので、ご相談ください。