• 5月 6, 2026

GLP1受容体作動薬はアルコールの過剰摂取を抑える作用がある

当院でマンジャロを受けている方の中に、「食欲が治まっただけでなく、好きだった酒も欲しくなくなった」という方が少なからずいらっしゃいます。

マンジャロではありませんが、GLP-1受容体作動薬のセマグルチドが飲酒量を減らすことが示され、論文がランセット誌に発表されました。

いずれの治療を受ける場合でも、アルコール摂取をコントロールするために基本治療として認知行動療法を受けました。肥満とアルコール使用障害の治療を希望する108人が参加し、セマグルチド週1回2.4mg、またはプラセボ注射を受けた結果、セマグルチド使用者のグループの方がより多く飲酒量、多量飲酒日数(アルコール換算で男性60g/日、女性48g以上/日)が減少しました。

セマグルチド群:治療前2155.3g/30日(71.8g/日) 効果:-1550.2(51.7g/日)

プラセボ群:治療前2246.6g/30日(74.9/日)、効果:-1025.9(34.2g/日)

Lancet.  2026 May 2;407(10540):1687-1698.

 

GLP-1は脳の報酬系という部分に直接作用するため、飲酒への渇望感(飲酒し、ドーパミンが放出されることにより満たされる感じ)がコントロールしやすくなるという機序が考えられています。

飲酒できる人にとって、適量を適切な場面で飲む場合はリラックス効果やコミュニケーションの促進など良い作用がありますが、飲みすぎは健康を害したり、他人との関係を破壊することもあります。健康日本21では「節度ある飲酒量」はアルコール換算で男性20g、女性はそれよりも少なく10g程度としています。発癌リスク上昇などの悪影響を考えると適量というものはなく、健康のためには少なければ少ない方が良いという意見が増えつつあります。GLP-1受容体作動薬の飲酒行動への副次的効果を知っておくことで、飲酒の調整に役立つかもしれません。

院長 深谷進司

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