- 2月 11, 2025
関節リウマチの発症原因として分かっていること
関節リウマチの発症には、生まれつきの要素と、生後の環境の要素が影響すると考えられています。

生まれつきの要素として最も重要なのは、HLA-DRB1という遺伝子に特定の配列を持っていることです。この特定の遺伝子型を持っている方は関節リウマチになりやすく特定の薬が効きやすいということがわかっています。
そのため、個々人がどのような遺伝子型を持っているか調べることでより的確な治療に結び付けようという発想がありますが、遺伝子情報は本人だけでなく家族も含めたデリケートな情報なので、その検査を保険診療で気軽に行うことは認められていません。自費で行うにしても高額な検査のため実際の診療では遺伝子検査は行われていないのが現状です。
しかしある薬が関節リウマチに効く確率60%といった場合、遺伝情報を加味して判断すれば薬を使う前にもっとよい判断をすることができます。遺伝子型Aの方には効く確率90%だが、遺伝子型A以外だと効く確率が40%というように。より精度を高め最初から合う薬を選ぶことができ、無駄な治療のトライアルを減らすことができます。このように診療の個別化のために遺伝情報は非常に有効であり、将来は実際の診療場面での判断に取り入れられていくと思われます。
さて、生後の環境の要素の方はどうでしょうか。
かなりはっきりしているのは、たばこと歯周病が良くないということです。
たばこを吸うと肺の炎症を起こし、肺のたんぱく質がシトルリン化という変化を受けます。もともと自分自身の構成成分であるたんぱく質は異物と認識されることはないのですが、肺の中で変質したたんぱく質が異物として認識されるようになり、抗シトルリン化たんぱく抗体(抗CCP抗体)が作られます。歯周病がある口腔内でも悪玉菌によりたんぱく質がシトルリン化を受け、これに反応して抗CCP抗体が作られます。この抗CCP抗体が作られる過程には先に述べた遺伝要因が強く関わります。遺伝要因を持っていると、たんぱく質のシトルリン化から抗CCP抗体が作られるという変化が起きやすいのです。抗CCP抗体は関節に直接作用し関節炎を引き起こします。関節リウマチの診断の指標であり、高いと関節破壊が進みやすいといった予測因子でもあります。
禁煙し歯周病のケアをしておくと関節リウマチを発症しにくくなり、もし発症してしまったとしても治療が効きやすいと考えられています。関節リウマチは肺にも障害を起こしやすい疾患ですので、肺を守る意味でも禁煙は重要になります。