• 1月 17, 2026

更年期障害に対するプラセンタ(胎盤抽出液;メルスモン注射剤)

プラセンタとは、ヒトの胎盤から抽出したエキスを治療などに使う療法の事です。
メルスモン注射剤は、2つある胎盤抽出液製剤の1つです。

次のような病気や症状の改善に使われます

メルスモンは保険医療でも、保険外医療でも使われています。

保険医療で使用される場合の対象は、更年期障害と乳汁分泌不全の2つです。
更年期障害による諸症状(のぼせ・冷え・不眠・イライラ感・頭痛・疲労・肩こり・腰痛など)の改善(77.4%の方に有効だったと報告されています)。又、産後、乳汁分泌が少ない方の治療に使われます(68.6%の方に有効だったとされています)。
更年期の関節症状に対する胎盤抽出液の効果を主な評価ポイントとした医学論文はみつかりませんが、更年期には関節のこわばりが高頻度でみられるため、更年期症状に有効であるプラセンタは関節症状にも効果が期待できると思われます。

保険外医療は、女性では美肌効果や疲労回復などを期待され使用されています。
なお、メルスモンは男性でも受けていただくことが可能です(保険適用外)。肉体疲労、十二指腸潰瘍、眼精疲労、胃潰瘍、だるさ、肩こり、腰痛、目覚め・寝つきの悪さ、口内炎、抜け毛などに効果が期待できます。

細胞呼吸促進、創傷治癒促進、抗疲労などの諸作用が認められており、これら多種多様の生物学的活性作用が広汎な生体過程への賦活作用を示し、組織細胞の新陳代謝を高め、身体の異常状態を正常化するものと推測されます(添付文書より)。

投与方法

週1-3回、上腕や臀部、腹部などの皮下に注射します。

原料と成分

1956年(昭和31年)に承認された歴史の長い医薬品です。国内の、感染症のチェックを通過したヒト胎盤を原料とした注射薬で、多種のアミノ酸を含有しています。

次のような副作用があります

注射部位の疼痛、発赤等や、悪寒、発熱、発疹等が起こることがあります。
その場合は、医師にお申し出下さい。

ウイルスや細菌などに対する安全性

胎盤1つずつについてウイルス検査を実施し、HBV、HCV、HIVが陰性であることが確認された安全な胎盤を原料としています。さらに、製造の最終段階に 121℃・30分間の高圧蒸気滅菌を実施しており、ウイルス・細菌の感染防止対策をとっています。

変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)* に対する安全性

1980年代~2004年頃まで英国を中心に狂牛病が流行し、その肉の摂取が関連すると思われる変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)の発症が報告されました。メルスモン注射剤は、この狂牛病が流行した時期に、それらの地域に滞在経験がある方の胎盤は原料として使用しておりません。

*クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)とは、異常プリオン蛋白が脳内に蓄積し、進行性の認知症や運動障害などの脳症状をおこす極めて稀な病気です。狂牛病が原因と考えられているものを変異型と称しています。

献血制限及び臓器提供制限について

世界では輸血や移植による感染が疑われる報告もありますが、これまで、メルスモン注射剤によると思われるvCJDの感染報告はありません。しかしながら、理論的なvCJD 等の伝播の危険性を完全には否定できません。このため、メルスモン注射剤を含むヒト胎盤由来医薬品の使用者は、以後の献血は出来なくなります。
臓器提供は原則として控えることが求められています。 但し、臓器提供の場合、移植希望者が移植医から適切な説明を受けた上で、提供を受ける意思を明らかにしている場合の提供は可能です。

費用について

◎保険診療の場合(更年期障害・乳汁分泌不全)
再診時 (再診料, 薬剤, 注射手技料として): 3割負担で360円

◎自費の場合
初診料:2,000円、再診料:無料(投与手技は別途かかりません)
1アンプル 1,100円(1回で2アンプル以上の投与も可能です. 10アンプルまで)

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