- 2月 19, 2025
リウマチによる手首の変化の一例
肥満関連のことばかり書いていたので、今回は本業のリウマチ(関節リウマチ)のことについて書きます。
リウマチの変化がみられる手のレントゲンを提示します(他の患者様への説明として写真を使用することにご快諾いただいております)。どの部分にリウマチの変化があるかわかりますか?

指には問題がありません。問題があるのは、手首です。
手首の部分だけにフォーカスしてみます。左手は異常なし、右手は異常ありです。

右手は左手に比べて、
①骨と骨の隙間が狭い(不鮮明になっている部分もある)
②骨の輪郭ががたがたしている
③骨が白くなっている
といった点に気づくと思います。

また、手首の骨の幅が詰まったようにみえます。軟骨が減り、骨同士のバランスが崩れています。
骨が白くなっているのは、軟骨が減って骨同士がぶつかり骨が固くなったためと思われます。

さらに、腕の骨(橈骨)が手首の骨(月状骨)とくっついたようにみえます。

手首の骨は8個ありますが、右手ではそれぞれを区別しにくくなっています。手首のスナップ運動(ダーツを投げる動き)は上の写真でみた線のところで手首が大きく曲がることによって可能になります。ここの軟骨が減ってしまい骨の並びが不ぞろいになると、このスナップ運動がしにくくなります。

また、手首の体に近い側の関節(橈骨と尺骨の間、赤で囲った部分)は手首をひねる動作において重要になります。ここの隙間が減ってしまうと、ドアノブをひねって開けたり、水道の蛇口を開ける動きがしにくく、痛みを感じやすくなります。
この写真を提供してくださった方は、リウマチを発症してから10年の病歴があり、生物学的製剤を使って治療をしてきたものの変形が起きてしまっていました。ここ最近は生物学的製剤を休んでいましたが、この先も関節炎が続けばより強い変形を生じる可能性があるため、生物学的製剤の再開をお勧めしました。
「痛みがない」「腫れていない」「炎症反応が陰性」の3つがそろえば進行はかなり防げます。この中では腫れているかどうかが特に重要になります。「腫れているけど痛みがないから治療は強化したくない」としていると、気づいたら関節の変形が進んでしまっている恐れがありますので、そうならないように治療を続けていくようにしましょう。