• 2月 20, 2025
  • 3月 4, 2025

その関節痛、大人のりんご病かも🍎

当院の地域は若い世帯が多いためか、最近大人のりんご病をよくみかけます。

りんご病(伝染性紅斑)はヒトパルボウィルスB19によって起こる感染症で、関節の腫れと痛みを生じます。小児だけでなく成人も感染するのですが、小児とは異なる症状を呈するため見逃されやすいです。

小児がウイルスに感染すると潜伏期間は1~2週間で、発熱、咳、鼻汁、筋肉痛などのかぜ症状を生じます。さらに1週間が経過すると頬が赤くなり、腕や太ももなどにまだら模様の発疹が出てきます。この時期の頬が少し腫れて赤くなった状態をりんご🍎に例えて「りんご病」と呼んでいます。

成人がヒトパルボウィルスB19に感染すると、手足、膝などの関節痛や頭痛を生じます。1~2日は歩行ができないほどの激痛み生じることがあります。大人の場合は、小児の様な頬や手足の皮疹が現れることは少ないです。

以下の写真は成人の方の腕にみられた網状の紅斑です。ぱっと見はわかりにくいですが、皮膚がもやもやと赤みを帯びています。

この時期に関節リウマチを心配して受診されることがあります。手指などの小さい関節が痛み、腫れを生じる点では似ていますので心配になるのもごもっともです。ただ関節リウマチを放置すると変形が進んでしまうから早く治療した方がよい、という知識が広まったことは良いことなのですが、関節炎が生じてから数日など非常に短期間の時点では、慢性疾患である関節リウマチの可能性は高くないです。

「身近に最近りんご病にかかった子がいる」という情報が判断の決め手になることがあります。子供は皮疹が出やすいが関節炎は少ない、大人は皮疹は少ないが関節炎が多いといったように、大人と小児では症状が異なるため、家族のりんご病と自分自身の関節炎が関係あると連想しにくく、そのことを伝えると驚かれる方が多いです。

りんご病による関節炎を確定診断するために、パルボウィルス感染の証拠(パルボウィルスB19-IgM)を調べますが、すぐに結果が出ないため、結果を待っている間に1週間くらいで自然に治ります。治療は特別なものはありません。必要に応じて解熱鎮痛薬を使用します。

 また、パルボウイルスは骨髄の細胞を壊し、白血球減少、貧血、血小板減少を起こすことがあります。微熱、血球減少、関節炎などが全身性エリテマトーデスの症状と似ているため区別が必要になります。

妊婦が感染すると、胎盤を通って胎児も感染してしまい、胎児が重症の貧血を起こして、10%の確率で流産、死産になってしまいます。ワクチンがないので予防方法はなく、妊婦の50%が免疫を持っていないので感染しないように注意する必要があります。感染力は発疹が出る前の感冒様症状がある時期に強く咳に混じる飛沫でうつります。なお皮疹が現れる時期には感染力はほとんどなくなっています

以上、急性関節炎の一因として、りんご病を起こすヒトパルボウィルスB19があることを解説しました。ほかにも急性関節炎の原因はたくさんあるため、気になった方はお気軽に当院でご相談ください。

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