• 2月 10, 2026

金属アレルギー

金属アレルギーとは

皮膚に接触した金属は、汗で濡れた部分に微量が解けて皮膚にしみこみ、アレルギー原因物質として反応するようになることがあります。これが金属アレルギーです。

原因として多い金属は

ニッケル、金、コバルト、水銀、クロムなどの金属が原因物質として代表的なものです。

原因となる金属で、最も多いのはニッケルです。

ニッケル合金は、ピアス、イヤリング、金属のボタン、バックル、腕時計などの装飾品に使用されています。

ニッケルに次いで金が多く、金歯、装飾品(メッキ含む)を介して接触する機会があります。

この他にも、金属としては認識しづらい形で、インクや絵の具、工業製品、農薬、医薬品などに含まれていることがあり、身の回りに金属と触れる機会は多いです。

金属アレルギーを診断するための検査

金属アレルギーは血液検査では判断できません。パッチテストを行い、判定する必要があります。

パッチテストとは、アレルギー原因物質を特定するために、原因として疑われている物質を皮膚に貼り付け、皮膚が赤く反応するかどうかを見る検査です。

イラスト:パッチテストの様子

当院では現在パッチテストは行っていないため、筑波大学付属病院などと連携して検査・治療に取り組んでいます。

パッチテストで陽性になった場合は、その金属を含む製品との接触を避けましょう。特に汗をかくような暑い季節に接触したり、皮膚がかぶれている部位で接触するのは避けるべきです。全身型ではパッチテストが陰性になてしまう場合があるため注意が必要です。

全身型と接触アレルギー型

金属アレルギーには、全身型金属アレルギーと、金属接触アレルギーがあります。

金属接触アレルギー型では、金属と触れている部位が赤く腫れたり、時には水疱を生じたりします。

全身型では、金属が体内に吸収されることにより、汗疱状湿疹、亜急性痒疹、多型慢性痒疹、貨幣状湿疹、掌蹠膿疱症、扁平苔癬、Pseudo-atopic dermatitis, 紅皮症といった形で発症します。金属アレルギーがアトピー性皮膚炎と診断されてしまっている場合もあります。

パッチテストの他に、ニッケル、コバルト、クロム、銅、鉄、亜鉛、マンガンなどの少量は体にとっても必要な元素は、内服テストを行うことがあります。実際には、各金属が多く含まれる食品を一定期間摂取したり、逆に一定期間制限したりして症状の変化を観察して判断します。例えばニッケル、クロム、コバルトはチョコレート、ココア、豆類、香辛料、貝類、レバー、胚芽などに多く含まれますので、それらの食品を摂取、または制限して判断します。

ニッケルコバルトクロム
豆類、木の実
玄米、蕎麦、オートミール、ほうれん草、レタス、カボチャ、キャベツ、マッシュルーム、海藻、牡蛎、鮭、ニシン、香辛料、紅茶、ココア、ワイン、チョコレート、タバコ、大黄末
豆類、木の実
キャベツ、レバー、ホタテ、香辛料、紅茶、ココア、ビール、コーヒー、チョコレート
豆類、木の実
馬鈴薯、玉ねぎ、マッシュルーム、香辛料、紅茶、ココア、チョコレート

治療

金属接触アレルギー型では、原因金属との接触を避け、皮膚炎を起こしてしまった部位には短期間のステロイド外用や、かゆみの強い時は抗ヒスタミン薬の内服を行います。

全身型の治療としては、原因となっている金属との接触を避けること、上記表に含まれる食品を避けること、歯科の詰め物などに金属が入っている場合は、原因の金属が含まれているか確認します。歯科で使用される金パラジウム合金はニッケルと交差反応が強いため、パラジウムのパッチテストが陽性でも、ニッケルを含む食品制限のみで軽快する場合もあります。

まとめ

  • 金属が皮膚に接触した部位から金属が溶け出し、皮膚に吸収され、アレルギーを生じるようになる。
  • 原因となる金属はニッケル、金、コバルト、水銀、クロムなどが多い。
  • インクや絵の具、工業製品、農薬、医薬品、食品など金属として認識しづらい形で接触または体内に摂取している可能性がある。
  • 血液検査では判断できず、パッチテスト、または食品の摂取や制限などで判断する。
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