• 7月 1, 2025

リウマチでよく使う漢方3選

リウマチ科でよく使用する漢方3選を紹介します。

🪷桂枝加朮附湯:痛みに効く
👣芍薬甘草湯:こむらがえりに効く
♨️当帰四逆加呉茱萸生姜湯:冷えに効く


🪷桂枝加朮附湯

桂枝加朮附湯は、体を内側から温め、関節のこわばりや冷えによる痛みを和らげる漢方薬です。古くから使われている「桂枝湯(けいしとう)」に、体の水はけを整える「朮(じゅつ)」と、温める力が強い「附子(ぶし)」を加えることで、より一層、冷えによる関節の不調に効果を発揮します

桂枝はシナモンのことです。

附子(ぶし)はトリカブトの球根が原料です。トリカブトは多量にとると毒ですが、漢方としての使用量で使うと、体を温め痛みを鎮める作用があります。

朮は蒼朮(そうじゅつ)のことで、ホソバオケラやシナオケラの根茎です。

体の水はけを整えます。

ここが良い!

  • 更年期のむくみを伴った関節痛に有効です。
  • 鎮痛だけでなくむくみをとる作用によりこわばりが改善し、消炎鎮痛薬以上に有効な場合があります。

👣芍薬甘草湯

芍薬甘草湯は、「こむらがえり」や「急な筋肉のけいれん・痛み」に即効性がある漢方薬です。わずか2種類の生薬──「芍薬(しゃくやく)」と「甘草(かんぞう)」だけで構成され、筋肉の緊張をゆるめ、痛みをやわらげます。

ここが良い!

  • 速効性がある:服用後、数分で痛みが軽くなることもあり、特に夜間のこむらがえりやスポーツ中の筋けいれんに即効。
  • 高齢者や運動選手にも使われる:足のつりやこむらがえりなど、年齢や体力を問わず幅広く使用されています。

悪い点・注意点について

甘草(かんぞう)に含まれる成分の影響で、長期使用や多量服用によって「偽性アルドステロン症」という副作用が出ることがあります。
この症状は、血圧上昇・むくみ・低カリウム血症(手足のだるさや筋力低下)などを引き起こすことがあります。

そのため、屯用で使用するか、連続使用はなるべく短期間にとどめ、高血圧や腎臓病のある方は使用に注意が必要です。


♨️当帰四逆加呉茱萸生姜湯

当帰四逆加呉茱萸生姜湯は、体の末端(手足など)の冷えが強く、痛みを感じる方のための漢方薬です。この薬は、血のめぐりを良くし、体の内側からじんわりと温めることで、冷えによる症状を和らげます。

ここが良い!

  • 手足の冷えにしっかり効く
     →「末端の冷え」がつらい人に特に効果的です。
  • 痛みやしびれにもアプローチ
     →冷えからくる手足の痛み・しびれ・こわばりをやわらげます。

悪い点・注意点

  • 温める力がやや強いため、虚弱な方や高齢者ではまれに合わないことがあります。
  • 呉茱萸(ごしゅゆ)や生姜など刺激のある成分が含まれており、人によっては胃もたれや胃の痛みを感じることがあります。

以上、リウマチや膠原病の方にお勧めできる漢方3選を紹介しました。困っている症状に漢方の効能が当てはまっていましたら、医師に相談してみてください。

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