- 10月 10, 2025
- 10月 12, 2025
マンジャロ Q&A
今回の記事では、当院でご提供しているマンジャロの
・価格設定
・投与量の増量・減量
・リバウンド対策
・副作用対策
に関する疑問にお答えします。

価格設定が2つあるのはなぜですか?
それぞれ、当院独自の価格設定です。一般価格とメタボ治療価格の2つの設定があります。
現時点で健康上の問題がない方が減量したい方には一般価格でご提供しています。
高度肥満(BMI>35)、あるいは軽い肥満(BMI>27)で肥満関連の健康問題をお持ちの方が生活習慣病の予防に取り組む場合は、その応援のために安い価格設定を設けております。BMI 22が達成できた場合はマンジャロの投与終了、あるいは一般価格で継続いただけます。
増量はどのように行いますか?

量の調整は、初回投与の1週間後と、1か月ごとの診察時に医師と相談して決めます。
開始後4週目で増量することが多いですが、必ず増やさなければならないわけではありません。開始後4週目でまだ嘔気や膨満感が強い場合や初期量の2.5mgでも十分な効果が得られている場合は増量せず2.5mgを続行していただきます。安くない薬なので効果があればその量を継続することをお勧めしています。当院では、4週目の時点でおよそ4人のうち3人が5mgに増量し、4人のうち1人はそのまま継続しています。副作用に慣れたり途中で効果が物足りなくなった場合は、そこから増量します。
以後の増量は2.5mg刻みで最大15mgまで増量可能ですが、当院では7.5mgへ増量しているのは20-30人に1人、10mg以降は非常に少なく50-100人に1人程度です。減量に取り組む意欲の高い方が来院していただいているためか、臨床試験で報告されている成績よりも多く減量できている方が多い印象があります。
止め時はいつか?いつまで続けていて良いですか?
継続期間の設定はありません。
マンジャロと同成分のゼップバウンド®を保険適用で使用する場合の治療期間は原則72週と定められていますが、自費診療では制限は特にありません。
初診時にそれぞれの方が考える減量の目標をお伺いしています。その目標に向かって継続していきます。BMI 22を切る目標設定は推奨していません。
投与期間中に筋肉量が落ちないように注意し、運動量を増やし、最終的にマンジャロから卒業できるように筋肉をつけて太りにくい体づくりをしていきましょう。
やめるとリバウンドしますか?

耐用限度量まで増量した後に、継続または中止した影響を調べた研究1)があります。
まず36週間までに耐用限度量まで増量、継続しました。10mg以上まで増量できた方が調査に参加し、マンジャロ開始前は平均107kgあった体重は、36週後には20.9%減少しました。ここから中止した場合、36週時点の体重から+14%増加(リバウンド)し、継続した場合はさらに-5.5%減量しました。
このことからリバウンドも多いことがわかりますので、体重が安定するまで一定期間はマンジャロを継続し、治療終了を意識した時も段階的な使用量の縮小や投与間隔の延長を考慮すること、リバウンドも込みでの減量を行うこと、筋肉をつけてリバウンドしにくい体づくり、生活習慣づけを同時に行うことが重要と言えます。
- JAMA. 2024 2;331(1):38-48
リバウンドを防ぐには?(薬の漸減中止)
まず、マンジャロの止め方は突然止めるのではなく、徐々に減量したり、間隔を伸ばして投与していく方法が考えられます。これらの方法について信頼できる研究報告はまだ非常に少なく、当然薬剤の公式情報(添付文書)にも掲載されていない内容になるため、試行錯誤されているのが現状です。
9週間かけて徐々に減量したところリバウンドが防げたという研究が欧州肥満学会で報告されています(引用元の記事)。高用量で投与している方は2.5mgずつ減量してみる、あるいは1週間以上間隔を空けて使用するなどして、食欲の暴走がないかどうかを探るのがよいと思われます。
リバウンドを防ぐには?(生活習慣)
マンジャロを使用して減量に取り組む間に、食事・栄養の改善に取り組み太りにくい生活習慣に変えることが必要です。
マンジャロを使うのはあくまで生活習慣の見直しのきっかけと考えている方はマンジャロに頼りっきりの減量とならず、減量に成功しその後のリバウンドも少ないような印象があります。
マンジャロで食習慣が変化することによって「食事量と体重への影響」が実感できているのではないかと思います。この感覚をしっかりと覚えて、中止後に備えましょう。減量がうまくいきはじめると自己肯定感が高まり、生活改善に着手しようという気持ちも湧くようです。
運動量も増やす努力をしましょう。短距離でも車を使っていたのを歩くか自転車を使う、エレベーターは使わずに階段を使うなど身近なことで変えられる部分はありませんか?「動ける体」「太りにくい体」を取り戻しましょう。
吐き気対策はどうしたらよいですか?

吐き気は約30%の方に現れます。特に初回投与時や増量時、投与後2日間程度に生じやすいです。胃の動きを低下させ、食物が長く胃に残ることが原因です。
また、一回の食事量も少なくなります。いままで当たり前にペロッと食べられていた〇〇定食は半分も食べればお腹いっぱい、それ以上食べてしまうと吐き気が出やすくなります。いわゆる「胃が小さくなった」という感覚になります。吐気の出やすい期間は特に満腹まで食べないように注意しておくことが重要です。
強い吐き気は不快なだけですが、軽い吐き気や膨満感は効果の裏返しでもあります。一回の食事量を少な目にすることによりある程度は回避できます。
便秘対策はどうしたらよいですか?

便秘も比較的多い副作用です。薬剤の直接作用および食事量が減ることにより消化管の蠕動運動が低下するためと考えられます。
対策としては以下が挙げられます。
- 水分を多めにとる
- マグネシウム系の便秘薬を使用する
- 運動する
自費でマンジャロを使用した場合は、それにより生じる副作用対策も自費で行う必要があります。便秘がしつこく慣れない場合は、ドラッグストアで酸化マグネシウム系の便秘薬を購入し使用してみてください。
脱毛が気になります
別の記事で解説していますので、こちらを参照ください。
以上、質問されるマンジャロに関する疑問についてお答えしました。
マンジャロを用いた抗肥満治療はこちらのリンクからWEBでご予約いただけます。