• 3月 10, 2025

マンジャロなどのGLP-1は肥満改善のみではなく、広範な内臓保護作用がある

 

GLP-1は糖尿病治療薬としての応用、または食欲抑制作用を活かした抗肥満薬として注目されていますが、抗酸化作用、抗炎症作用により、心臓、脳、肝臓、肺、血管、腎臓の保護作用があると考えられています。飽食・長寿の現代においてほとんどが好ましい作用と言えます。多くの知見は動物実験から得られたものですが、一部は実際の患者さんが使用して効果が確認されています。

 

胃腸・脳・脂肪・筋への作用が合わさることによる肥満の改善

・脳の食欲中枢へ作用し、満腹感を持続させる。

・脂肪分解を分解し熱産生を促進する。

・食物が胃の中に長くとどまり、早期に満腹になり、満腹感を持続させる。

・筋肉への血流増加、糖分取り込みを促進し、運動の効率が高まる。

 (糖尿病患者さんに対するマンジャロ 5mg投与で-6kg、マンジャロ 15mgで-11kgの体重減少が認められています。)

心臓・血管系への保護

・血管内の抗酸化作用などにより、心臓機能の改善や血管への保護作用が認められています。

・動脈硬化への良い作用があると考えられています。

 

・抗炎症作用による神経細胞の保護により、パーキンソン病やアルツハイマー病に対する効果が期待されている。ただし、エキセナチドはパーキンソン病の患者に効果がなかった 文献1)

 

肝臓

・肥満と関連の強い脂肪肝炎の改善が確認されています。脂肪肝から肝硬変にいたるには炎症が関わりますが、脂肪の蓄積の改善と抗炎症作用により、肝炎、肝線維化がマンジャロ使用により改善することが確認されています。

 

・GLP-1作動薬は気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患、急性肺障害、肺線維症、間質性肺炎、肺高血圧症を改善させる作用が考えられています。

関節リウマチや膠原病の患者様では、肺線維症、間質性肺炎、肺高血圧症を合併する方がおられますが、このような患者様にとっては有益と考えられます

 

腎臓

・抗炎症作用を介した糖尿病性腎症の改善が期待されています。

 

理論上の効果や動物実験の結果からヒトでの効果が確認されて、マンジャロの応用範囲が広がると良いなあと思います。

 

文献1) Lancet Neurol. 2024 Jan;23(1):37-45.

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